今回はAutoCAD Plant3D(以下Plant3D)と点群データに関するお話をしたいと思います。
みなさん、点群データのことはご存じでしょうか。ここ数年でプラントエンジニアリング業界では、かなり有名になってきた比較的新しい技術になります。
3Dレーザースキャナー本体について
3Dレーザースキャナーという計測器を使用して、既存の形状を丸ごとデータ計測します。計測したデータは、無数の点の集まりになり、その1点1点に座標情報(X=100,Y=50,Z=1000など)とRGB色情報を持ちます。ちなみに3Dレーザースキャナー本体の価格は、最安値で500万程度になります。性能によっては、1000万を超えてくるものもあります。以下の会社が有名です。
- Faro社
→いち早く(今から7,8年前)業界最安値の3Dレーザースキャナーを発売した。業界トップ。 - Leica社
→老舗メーカー。低価格品~高品質品まで幅広いラインナップ。最近人気。 - Z+F社
→老舗メーカー。本体が堅牢で、安定感がある。ただし価格が高めなので大企業向け。
私も導入時に色々と調べ、そして実際にデモ体験などもさせていただきました。中小企業では、正直Faro社とLeica社のどちらかで最安値機種を選んだ方がよいと思います。理由として、そもそもプラントエンジニアリング業務で使用する場合の用途としては、精度をそこまで求めません。厳密に言うと、精度を求めようとするとマンパワーや本体コストがかかりすぎて価値を見出せません。
また、既存現場が稼働中のため素早く計測する必要もあります。となると、精度はそこそこでとにかく早くたくさんの点群がとれる計測器を選定するのが正解かなと思います。Faro社のFucus3DシリーズかLeica社のBLKシリーズが価格帯(300~500万円)、本体重量(1kg~2kg)、点群精度のバランスが非常に良いのでおすすめです。
点群データを処理するために必要なソフトについて
計測データは一カ所につき、数千万点の点データがあり、それを何カ所も計測して、最終的に全ての点を合成させて一つのデータを作成します。また、計測中に人や車が映り込んでしまったり、空気中のゴミやチリ、さらに屋外だと雨などを拾ってしまう場合もあります。そのような不要な点を削除する作業も必要になってきます。
そのため、点群データを取り扱うための専用ソフトが必要になります。価格は50万~100万/年ほどの費用になります。こちらも何社か有名なものがあるのですが、大きく分けると2つあります。一つは先述のスキャナーメーカーが本体とセットで販売しているソフト。もう一つはソフトメーカーが専用で販売しているものです。スキャナーメーカーがセットで販売している方が若干安いですが、他のスキャナーでは使えないのがデメリット。反対にソフトメーカーが販売しているものは、すべてのスキャナーに対応しているが、価格が若干高めです。ソフトメーカーのものは以下のものが有名です。
- Infipoints(エリジオン)
→価格はちょっと高いけど、機能が優秀。アップデートも多い。 - Galaxy-Eye(富士テクニカルリサーチ)
→価格が手ごろ。ユーザーフレンドリー仕様。 - ClassNK-PEERLESS(アルモニコス)
→一番新しいメーカー。使ったことないので詳細は分かりません(笑) - Recap pro(オートデスク)
→CADメーカーらしく、CADで点群を取り扱う事を前提に考えられているソフト。
スキャナーメーカーが出しているので有名なのは、FARO SCENEとLeica Cyclone REGISTERです。

いっぱいありすぎて、どれにしたらいいか分からないニャ!!
今の世は、3Dレーザースキャナー戦国時代。あと何年かすると段々淘汰されていって2つぐらいに絞られるのでしょうけど。。
少し長くなってしまいましたので、続きは次回の記事で書きたいと思います。
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