今回はAutoCAD Plant3D(以下Plant3D)と点群データとMatterportについて、それぞれの特徴と、どのように業務に活用していけばよいかについてお話ししたいと思います。
Plant3Dについて
このサイトでメインでお話ししているので、すでにご理解いただいていると思いますが、一言でいうと、プラント配管用3D-CAD(業界最安値ですが、機能も必要最低限)になります。できることは以下の通りです。
- 機器や架構などのモデルを簡単にモデリングできる。
- 配管のモデリングができる。
- 配管カタログと配管スペックにより、配管仕様についての管理ができる。
- 各種、リスト(機器リストや配管材料表など)や図面(スプール図)が出力できる。
- P&IDと連携が(一応)できる。
これら機能は、プラント業界で有名なE3D(PDMS含む)、SP3D、EYE-CADなどと同様の機能になります。(色々といまいちな所もありますが、低価格なので目をつぶりましょう(笑))
点群データについて
第26回と第27回で詳しくお話ししていますが、既存の情報を3Dデジタル化するために、現場で計測してくる大量の座標データの集合体のことを点群データと呼んでいます。専用のハードウェア、ソフトウェアを介してデータ作成することで、3D-CAD上に点群データを表示させながら配管設計を行うことが可能になります。
Matterportについて
360°カメラで撮影した静止画データを使用して、マップを作成するソフトになります。一番イメージしやすい所でいうと、GoogleMapのストリートビューのような感じです。必要なものは、360°カメラだけです。すぐに始められて簡単なのが一番のメリットだと思います。対応している360°カメラは下記のものになります。
Matterport公式HPも貼っておきます。公式HPに対応カメラについて記載されていますので、最終的にはこちらを参照ください。
あとはMatterportのサブスクを契約すれば、すぐに始められます。とりあえず試したいという人は、Freeプランが用意されていますので、そちらから始めてみてもよいと思います。(Freeプランは1つしかデータを作れません。)
まとめ
- 3D-CADと点群データとMatterportは、それぞれ別物。
- 点群データとMatterportは、既存情報をデジタル化するためのもの。
- 点群データは、大量の座標データの集合体のため、データが超重い。
- 点群データを始めるには、最低でも600万円~800万円以上かかる。
- Matterportは、360°静止画データの集合体のため、データは軽い。
- Matterportは、5万円程度から始められる。
以上のような特徴から、次のような使い分けをおすすめします。
- 3D設計においては、3D-CADと点群データを活用する。
- Matterportはデータが軽くて取り扱いが簡単なので、関係者間の既存情報共有プラットフォームとして活用する。

実は、MatterportはFreeプランで使用していて、これから有料プランへ移行するか現在検討中です。
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