今回はAutoCAD Plant3D(以下Plant3D)で配管モデリングを行ったあとで最終的にスプール図を出力する時の注意点についてお話ししたいと思います。
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まず、大前提として完璧なスプール図は出力できません。Plant3Dのアイソメ図作成リボンを見てもらえると分かりますが、加工用アイソメ図作成ボタンになっています。つまり、2Dスプール図の下図として出力して、必要な情報は2D-CADで加筆してくださいねってことです。

ただし全て2D-CADで加筆すると、図面更新があるたびに、一から全て加筆をやり直すことになるので、できるだけ自動的に情報を付与させておきたいところです。そのためのコマンドがアイソメ図注釈になります。
- 参照寸法
→一般的には通り芯からの寸法を入れます。現場で配管を取付ける時に必須になります。 - アイソメ図メッセージ
→自動で表現しきれない細かな内容を情報共有するためにメッセージとして入れます。 - 床シンボル
→床、壁貫通場所を印します。配管は開口部の前後にフランジを設けることが多いため必須。 - 流向矢印
→流体の流れ方向を印します。グローブ弁や逆止弁など、取付方向が指定されているものを取付ける時に必須になります。 - 断熱材シンボル
→断熱材がある場合に、配管に沿って断熱材の破線が表示されます。 - ロケーションポイント
→ピンポイントで座標を印したい時に入れます。 - 始点
→スプール図の自動出力時にどちらの端点から書き始めるかを指定できます。 - ブレークポイント
→スプール図が1枚で収まらないときに入れることで、自分の好きな場所で分割できます。
この中で、通り芯からの寸法と流れ方向は全ての配管において必須になります。メッセージと床・壁シンボルは、必要な場所に適宜いれてください。断熱材シンボルは正直なくても大丈夫かなと思います。なぜなら、ラインナンバーに保温材情報を入れるところがあるので、それを入れていればスプール図にも文字情報として出てきます。そのほかについては、私は一度も使ったことがありません。
これらの情報を配管に付与させてから、スプール図を出力して、さらに必要な情報を2D-CADにて加筆することでスプール図が完成します。

ナナ
スプール図は、配管を製作するために必要な情報が全て盛り込まれた非常に精度を求められる図面だにゃ。
配管設計者にとっての「最後の砦」にゃ
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