AutoCAD Plant3Dのアイソメ図自動生成機能は非常に強力ですが、初期設定のままでは、あなたの会社の長年使ってきたタイトルブロック(図枠)や、特定の表示項目と並び順が要求されるBOM(材料集計表)のフォーマットに合わないことがあります。
顧客や現場とのスムーズな連携のためには、アイソメ図を社内標準フォーマットに「完璧に」合わせるカスタマイズが不可欠です。本記事では、Plant3DのISO Style設定を深く掘り下げ、タイトルブロックとBOM表示を思い通りにカスタマイズする具体的な手法を解説します。
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導入:アイソメ図の見た目は大事?
アイソメ図のフォーマットは、会社の品質管理体制と技術標準を映す鏡です。この見た目を整えることで、顧客からの信頼度と現場での利用しやすさが格段に向上するという昔ながらの意見があるので、いったんはそれに従ってみるのもよいかもしれません(笑)
カスタマイズの核:ISO StyleとTemplate
アイソメ図の見た目を制御するファイル群を理解しましょう。
- ISO Style: 使用するアイソメ図のスタイル(例:FINAL、CHECK)のフォルダ内に、すべての設定ファイルが格納されています。
- Title Block Template (DWG): タイトルブロックの形状や含まれる情報を定義するDWGファイルです。
- タイトルブロック セットアップ: BOMの表示項目、配置、集計方法をCAD上で定義することができます。
タイトルブロック(図枠)のカスタマイズ
社内標準のタイトルブロックをPlant 3Dのアイソメ図に適用します。
- 既存DWGの流用: 既存の社内タイトルブロックDWGをPlant3DのISO Styleフォルダ内にコピーします。
- 属性の変更: タイトルブロック内の「プロジェクト名」「図面番号」「設計者」などの情報が、Plant3Dのプロジェクト属性と自動連携するように、AutoCAD属性定義(ATTDEF)をPlant3D専用のフィールドコードに合わせて修正します。
- ロゴや会社情報の組み込み: 会社のロゴや連絡先など、静的な情報をテンプレートに組み込みます。
BOM表示の緻密なカスタマイズ
BOMの項目や並び順は、プロジェクトセットアップのタイトルブロックセットアップを押してCADデータ上で「テーブル配置とセットアップ」から設定を変更します。
- 項目の追加・削除: テーブルセットアップを開き、「数量」「品番」「材質」といった既存の項目に加え、「発注番号」「備考」などのカスタム属性を追加・削除します。
- 並び順の変更: BOMの配置順(例:バルブを最初に表示、次にパイプなど)や、集計順(例:口径の昇順、材質のアルファベット順)を定義します。
寸法線と注釈の最適化
図面の見やすさ、現場での利用しやすさに直結する設定です。
- 寸法線のスタイル: 寸法線の色、文字のサイズ、小数点以下の桁数などを、アイソメ図テーマの設定ウィンドウ内で調整します。
- 注釈の表示ルール: サポート、ノズル、特殊継手など、特定の情報のみが注釈として表示されるよう、表示/非表示のルールを細かく設定します。
まとめ:カスタマイズは「使いこなすための最終ステップ」
Plant3Dのカスタマイズは、導入効果を最大化するための最終ステップです。アイソメ図のフォーマットを社内標準に合わせることで、手動修正の工数をゼロにし、設計品質と現場の連携をスムーズにしましょう。これらの設定は一度行えば、全プロジェクトで再利用可能な企業の技術資産となります。

ナナ
でも結構ハードルが高いから無理のない範囲で始めてみるといいニャ!
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