【第72回】設計者不足を解消!ITツールで実現するベテラン技術者の「暗黙知の形式知化」

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プラント設計業界では、熟練のベテラン技術者の引退に伴う「暗黙知(経験や勘に基づいたノウハウ)」の喪失が、深刻な問題となっています。この暗黙知が失われると、若手技術者が育たず、設計品質の低下や手戻りの増加に繋がります

AutoCAD Plant3Dは、この暗黙知を「形式知(誰でもアクセスできる情報)」としてシステムに取り込むための最適なプラットフォームです。本記事では、ITツールを活用してベテランのノウハウをデジタル化し、設計者不足を解消するための具体的な手法を解説します。

導入:Plant3Dは「技術継承のための知識銀行」

Plant3Dを「技術継承のための知識銀行」として活用しましょう。ベテランのノウハウを、単なるマニュアルではなく、「設計ルール」としてシステムに組み込むことが重要です。

暗黙知の形式知化:スペック駆動設計への組み込み

ベテラン技術者の「配管ルール」を、Plant3Dの配管スペック(SPEC)として定義します。

  • 「部品選択のルール」の定義: ベテランが「この流体・圧力クラスでは、このメーカーのこの部品を使うべき」と判断するルールを、カタログとスペックに組み込みます。これにより、若手設計者が誤った部品を選択しようとすると、システムが自動でブロックします。
  • 「ルーティングのガイドライン」の定義: 最小クリアランス、最大スパンなど、ベテランが経験的に知っている配管ルートの物理的な制約を、AIなどに学習させ、Q&A形式で答えを導けるようにします。

ノウハウのデジタル資産化:カスタムパーツとライブラリ

ベテランが過去に作成したカスタム部品設計テンプレートをデジタル資産化します。

  • カスタム部品の作成: 特殊な取り合いを解決するためにベテランが考案した「治具」や「特殊継手」を、Plant3Dのカスタムコンポーネントとして作成し、全社共通のライブラリに登録します。
  • テンプレートプロジェクトの作成: ベテランが設計した「ユニット設計」や「定型的な配管ラック」のモデルをテンプレートとして保存し、若手はそれをコピーして利用できるようにします。

若手技術者への知識伝達:3Dモデルと属性情報の活用

単なるマニュアルを読むよりも、3Dモデルは直感的な学習ツールとなります。

  • インテリジェンスの可視化: ベテランが設計したモデルの配管やバルブをクリックすると、Plant3Dの属性情報として「設計上の注意点」や「この部品を選んだ理由」といったテキスト情報が表示されるように設定します。3Dモデルにコメントを残すイメージです。
  • VRによる体験学習: ベテランが「ここはアクセスが難しい」と判断した箇所をVRで体感させることで、若手に空間的なノウハウを迅速に伝達します

技術継承を支援する組織体制

ITツールだけでなく、組織的な仕組みも重要です。

  • 「技術継承責任者」の設置: ベテラン技術者を「技術継承責任者」として任命し、ノウハウをシステムに落とし込む作業を正式な業務として評価します

まとめ:Plant3Dは「世代間のギャップを埋める橋」

Plant3Dは、ベテラン技術者の貴重なノウハウを、世代間のギャップを埋める「橋」として機能させます。暗黙知の形式知化を進めることで、若手技術者の即戦力化が加速し、設計者不足の解消企業の持続的な成長を同時に実現しましょう。

ナナ
ナナ

新入社員の数年間は、現状の仕事のやり方を覚えることが大事ニャ!
その先は先輩や上司とは違うアプローチで業務を完遂させることが大事ニャ!
そうしないと永遠に先輩や上司を超えることはできないニャ!

ねこ道
ねこ道

私もベテランの域に入ってきたので、私の想像もつかないような新しいやり方で私を超えていって欲しいと切に願っています。
俺の屍を越えてゆけ!! ←某ゲーム(笑)

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