みなさん、こんにちは。GW(ゴールデンウィーク)も終わりましたが、まだまだ頭が切り替わっていない状態です。さて、今回は中小企業のエンジニアリング会社や配管設計会社がAutoCAD Plant3D(以下Plant3D)を業務で活用していくために必要な考えについての最適解を私自身の体験からお伝えしたいと思います。
以前は、大手エンジニアリング会社の3D-CAD活用方法をそのまま転用して、中小企業でもPlant3Dを活用しようとしていたのですが、やはり大手と中小企業ではそもそもの業務フローが違っていたり、かけられるリソース(時間と人)が桁違いだったりします。(もちろん、売り上げや規模も桁違いなのですが。)その違いを理解しないまま進めてしまうと、途中で実務が破綻してしまいます。
2D設計と3D設計の違い
まずは以下の図をご覧ください。

3Dって2DにZ軸を追加しただけでしょ?って思われがちですが、実はその考えは間違っています。そもそもツールの本質が違います。上図のように2D-CADは、2D図面を作図するための作図補助ツールになります。一方で3D-CADは、様々な属性情報を持った3Dモデルを作成するためのツールになります。この3Dモデルを作成するためには、詳細情報が事前に必要です。そのため、プロジェクト全体の作業工程を前倒しで行わないと事前に情報が集められません。
つまりフロントローディング(詳細の仕様確定などの前倒し)が実現されるのです。
フロントローディングとは?
では、フロントローディングの効果とはなんでしょうか?以下のグラフをご覧ください。

3D設計を行うことで、設計の仕様確定が前倒しされます。つまり、プロジェクト期間の前半で色々な修正変更が起こることになります。(グラフの山が前の方に来ています)
2D設計では、プロジェクト期間の後半期間で修正変更が起こることになります。(グラフの山が後ろにあります)
また、プロジェクト全体のコストは、プロジェクト期間の前半の方がコストが低く、後半に行くにつれてコストが増大していきます。
以上の事から、3D設計を行う=フロントローディングの実現=プロジェクトのコスト削減、という方式が成り立つことになります。ただ、中小企業であればあるほど、このフロントローディングを実現するのが難しいという現状があります。
3D設計を行うための前提条件
そもそも顧客側から考えた時の、中小企業のメリットとはなんでしょうか?おそらく、短納期、低価格に落ち着くのではないでしょうか?早くて安く仕事をしてもらえるから、大手ではなく、中小企業へ仕事をお願いしているのだと思います。(当社も工事を依頼する時は、結局、短納期・低価格が発注のポイントになっていたりします。)
中小企業(=短納期・低価格)が前提条件だとすると、3D設計を行うためには2D設計の業務フローではなく、何かを変える必要があります。以下の図をご覧ください。

これは私自身の経験に基づいて導き出した、中小企業が3D設計を成功させるための条件です。この4つの条件のうち1つ以上を満たせば良いという事が分かりました。
1のフロントローディングは、先述した通り、3D-CAD設計を正しく行えば実現できるのですが、実際には、顧客やプロセス設計担当者など全社的に改革しないと実現できません。
2の納期延長についても顧客や営業担当者など全社的な改革が必要です。
4の現場対応力は、近年の社会課題である労働人口減少の煽りを受けて、年々低下しています。
となると、残りは3しかありません。今まで常識として考えられている2D図面ですが、これを無くします。その時間を3D設計時間に充てることで、3D設計を可能にさせるのです。ただ、これも結局は工事会社様との協議や改革が必要となります。(八方ふさがり感が。。。)
まとめ
中小企業が、短納期・低価格という特徴を生かしたまま3D設計を実現させるには、2D図面を廃止していく必要がある!という結論に至りました。

工事会社様も含めて、抜本的な働き方改革が必要な時代に突入したのではないでしょうか?みなさんで、新たな時代を作っていきませんか?

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