【第87回】プラントエンジニアリングの配管設計者のための技術ロードマップについて

配管設計

今回は、プラントエンジニアリング業界の配管設計者向け(特に若い人)にお話をしたいと思います。将来的にどういう人材になっていくかで、ご自身の給与仕事内容などが決まっていくと思います。あなたは現在の仕事から将来のご自身が想像できますか?一緒に考えていきましょう。

そもそも配管設計者の仕事とは?

プラントエンジニアリングの配管設計者は、空間デザイナーなどとも呼ばれるように、プラント全体の空間を設計するお仕事です。よく混同しがちなのが、プロセス設計者です。

P&ID(Piping & Instrumentation Diagram)、日本語でいうと「配管計装図」ですが、これはプロセス設計者が考えて作図します。どの機器からどの機器までを配管でつなぐとか、その配管サイズは○○Aにするとか、流体が〇〇だから配管材質は○○にする、などの業務は、プラントエンジ業界ではプロセス設計者が行います

配管設計者はP&IDを元に、実際の配管ルートを検討するお仕事です。当然、配管ルート検討の中には、P&IDの知識も必要になってきますし、P&IDの間違いを指摘したりもします。あるいは、配管の分岐方法についてP&IDと変える必要があれば、配管サイズの検討などもできた方がいいです。ただし、あくまでも主業務は配管ルートを設計するという空間設計のお仕事です。

空間設計をする上で有効なツールが3D-CADになります。昔は2D-CADで平面、立面、アイソメなどを作図しながら配管のルート検討をしていました。ちなみに小規模の設計会社などでは、いまだに2D-CADでの設計を行っている会社もあります。将来的なこと考えたら、3D-CADを覚えていく方がよいと思います。

配管設計者の行きつく先とは?

配管設計の業務はご理解いただけたかと思います。では、今度は配管設計者が進んでいく道はどのようになっているのかを考えてみましょう。

最終的に何の職種になるかで、ルートは大きく分けて3つあります。

  1. 配管設計者として配管設計を極めたり、部下をもって配管設計部署の管理をする。
  2. オーナー側(工場側の設備担当者など)に行く。
  3. 配管設計を軸としながら、プロセス設計者PE(プロジェクトエンジニア)、現場監督などへ職務転換する。

私自身は現在1番のルートを進んでいます。おそらく、このまま1番で進み続けると思っています。会社から3番を提示された場合は、転職を考えています。配管設計という仕事が面白いと思っているからです。給与面でいうと、2番がよいかと思います。当然、給与と業務の難易度は比例します。給与が良い仕事は、端的に言うとしんどいです。(個人的な感想)

どのルートを行くにしても、配管設計者としての知識と能力を高める必要があります。仕事には、マラソン型とスプリンター型があると言われています。スプリンター型の仕事とは、3~4年で一人前になる広告や営業の仕事で、マラソン型の仕事とは、10~20年かけて一人前になる技術職といわれています。配管設計者はもちろん後者のマラソン型の仕事に該当します。なので、まずは10年ほど配管設計者として仕事を頑張り、その後でどのルートへ行くかを考えればよいかと思います。

具体的な10年計画

では、10年をどのように進めていけば将来ルートを選べるようになるのかを、私の実体験を元に考えていきたいと思います。以下は、私の歩みです。

  1. 配管設計会社で2D-CAD/3D-CADオペとして従事。(4年間)
  2. 途中でメンバーを持ち、プレイングマネージャー的な仕事に従事。(2年間)
  3. エンジニアリング会社に転職して、サブ配管設計担当者として従事。(3年間)
  4. 途中からメイン配管設計担当者として従事。(14年間)

10年という区切りで考えると、3DCADマスターしたで、メイン配管設計担当者になる!を目指せばよいかと思います。もちろん、もっと早くなれる人はどんどん偉く前倒ししてください。大事なことは、設計会社からエンジニアリング会社に転職することかと思います。

この業界は、多重下請け構造になっていますので、給与や仕事の自由度でいうと、
設計会社 < エンジ会社 < オーナー(工場側)という構造になります。なのでざっくりイメージとしては、設計会社5年で3D-CADをマスターして、エンジ会社5年で配管設計者の勉強をする、という感じでしょうか。そうすれば、その先は、オーナー側(その場合は転職)でも、生涯配管設計でも、別の職務でも選べるようになると思います。

ちなみに、みなさんが気になる給与についても、イメージをお伝えします。

  • 設計会社(年収600万程度が上限)
  • エンジニアリング会社(年収800万程度が上限)
  • オーナー側(年収900万以上)

現在(2026年)では、だいたいこんなイメージになるかと思います。(残業時間や業績連動賞与などにより変動はあると思いますが。)

まとめ

いかがでしたでしょうか?プラントエンジニアリング業界の配管設計について、自身の経験を元に赤裸々に語ってみました。最初にも言いましたが、年収と業務のしんどさは比例しますので、ご自身で将来の年収をいくらぐらい貰いたいのかを想像しながら、目の前の仕事をマスターしていき、ひとつずつ階段を登っていってください。

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