皆さん、こんにちは。いつも当サイトへお越しいただきありがとうございます。管理人の「ねこ道」です。今回は、AutoCAD Plant3D(以下Plant3D)の使い勝手がよくなる情報です。
Plant3Dユーザーの皆さんに、ものすごいビッグニュースが飛び込んできました! 2026年5月28日、建設・プラント業界のDX推進で知られる株式会社Arentから、AutoCAD Plant3Dの新しいアドインソフト「ASPO (Auto Spool Fab Gen)」が発表されたのです。
プラント設計の実務において、「3Dモデル(詳細設計)は作ったけれど、その後の施工準備(サポート図やスプール図の作成)で結局2D-CADやExcelへの手入力が発生して面倒くさい…」と感じたことはありませんか?
今回の新ツールは、まさにその「設計と施工の間のデータの分断」を綺麗に解消してくれる神アップデートになりそうです。発表されたばかりの「ASPO」シリーズの凄さを、実務目線で良い点と悪い点を合わせてご紹介します!
「ASPO」シリーズが解決する課題と2つのラインナップ
これまで技術的な分断点となっていた、Plant 3Dのモデル情報から施工へのデータ連携。ここを自動化・半自動化するために、以下の2つのツールが展開されます。
① ASPO Support Fab(配管サポート材製作図の自動生成)
Plant3D上のモデル情報から、製作用のサポート図を自動作成してくれます。 シュー、クランプシュー、ガイド、ストッパーなど計7種類の主要なサポートに対応。これまで1枚あたり約30分かかっていた作図作業が約5分(約83%削減)に短縮されるとのこと。手戻りやヒューマンエラーの抑制にも直結しますね。
※ちょっと残念な点
サポート形状しか対応していない点です。サポートというのは本来は、サポートを支持する部材(アングルやチャンネルなどの鋼材)も含めてサポートと考えます。パイプシューだけの図面を描くことは中小企業ではまずありません。そもそもパイプシューなどのサポート本体は各社、規格化されていることがほとんどだと思いますので、標準図を添付すれば事足ります。
大事なのは、床や梁、柱などからどうやってサポートを支持するのかを設計して図面にすることです。このあたりは正式版では対応していただけると願っています。
② ASPO Spool Manager(スプール図生成支援 ※特許出願中とのこと)
あらかじめ設定したルールに沿って、スプール分割を半自動化してくれるツールです。 また、スプール番号の自動付与だけでなく、3Dモデルにて溶接マーク(工場溶接と現地溶接)の自動作成とそのBOM(材料集計)をスプール図に自動記入する機能もあります。溶接ごとに個別番号を付与するので、工事進捗管理などにも活用できそうです。
※個人的な感想
スプール分割は最初に入れておけば、配管を変更修正して、再度スプール図を出力したときに分割位置が変わらなくなるのでとても良いですね。それを自動で入れてくれるというのはありがたい。ただ、一方で分割を入れるという事は図面枚数が増えてしまいます。スプール図の内容がスカスカで枚数だけ増えてしまうという状態が起こる可能性を秘めています。このあたりも考慮したうえで、自動で分割点が入ってくれると神機能ですけど、どうでしょうか?
そういう意味では、初めてスプール図を出力したときにPlant3Dが自動で分割した位置を記憶して、そこへ自動で分割マークを入れてくれるという方が、より実務的な機能な気がします。
工場溶接(Shop Weld)と現地溶接(Field Weld)を自動追加できる機能は、工事施工側の人達からするととても良い機能ですね!まさに設計から施工へのデータ連携を体現する素晴らしい機能です。工事進捗は溶接量で管理をすることが一般的だったりします。例えば、全体の溶接量が500DB(ダイヤインチ)あって、今日までに250DB完了しているので進捗率は50%といった感じです。
前回の記事【第94回】で書かせていただいたとおり、これからは配管工事業者様も3D-CAD(Plant3D)を使用していく時代になると思います。それを後押しする神機能だと思います。
今後のロードマップと導入のメリット
発表によると、すでに2026年4月末から一部企業限定でベータ版の提供が開始されており、今後のスケジュールは以下のように予定されています。
- 2026年7月末(Ver. 1.0): 日本語正式版のリリース、英語版対応完了
- 2026年8月下旬: 先行ユーザー事例を中心としたイベント開催
ライセンス価格などの詳細は正式リリース時に案内予定とのことですが、1,000枚規模の中小プロジェクトでも約125万円のコスト削減が見込める試算が紹介されています。(この1,000枚がスプール図を意味するのか、サポート図を意味するのかでだいぶ規模感が変わってきますが。。)
ぜひとも中小企業が採用できるような価格帯であることを願います!個人的な感覚としては、Plant3D本体が年間25万円/1ライセンス程度なので、アドインソフトと考えると年間5~7万円/1ライセンスぐらいでないと購入意欲が湧かないのでは?と思います。
まとめ:ツールを使いこなす設計者が生き残る時代へ
いかがでしたでしょうか? 「PlantStream®」などで実績のあるArent社だからこそ、実務の「一番痛いところ(ボトルネック)」に手が届く素晴らしいアドインソフトになりそうですね。まだベータ版での情報なので、正式版では色々とアップデートされることを期待します。
こうした最新ツールやDXの波に乗り遅れないためにも、日頃からPlant3Dの基本操作をマスターし、いつでも新しい技術を社内に取り入れられる準備をしておくことが大切です。Plant3Dを始めてみようと思った方は、以前の記事【第6回】初心者向けPlant3Dの始め方で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。

製品の仕様や最新情報の問い合わせは、公式のASPO製品サイト(https://lp.aspo-generator.com/ )をぜひチェックしてみてください。ベータ版を触れるかもしれません。今後の正式リリースが本当に楽しみですね!

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