【第104回】「検証」スプール図の部品欄をAIに読み込ませたら?AIの進化が凄い件

DX

みなさん、こんにちは!まだまだ暑い日が続きますが(特に現場はまじで危険水域なのでは?と感じてしまう暑さですよね)頑張っていきましょう。

プラント設計や施工管理の現場で、地味に精神と時間を削られる作業といえば「スプール図からの部品(BOM)手動集計」ですよね。

図面PDFや紙から目視で数字を追いかけ、Excelにカタカタと打ち直す……。「こんなのAIでパッと自動化できないの?」と一度は考えたことがあるのではないでしょうか。

そこで今回は、話題のVision AI(視覚モデル)を使って、スプール図の部品欄をどこまで正確にデータ化できるのか実験してみました!

実は1年ほど前にAIを使用して図面の文字がどこまで認識できるのか?を試していました。その状況と現在あらためて検証してみた結果を比べてみたいと思います。

Step 1:AIにそのまま投げてみた場合(1年前)

まずは、AI(画像認識ができるGeminiやChatGPTなど)にスプール図の画像を添付し、ストレートに指示を出してみます。

プロンプト(指示文): 「添付したスプール図の右上にある部品欄(BOM)を読み取って、品名・サイズ・材質・数量を抽出して表にしてください。」

【結果】「おお、一瞬で表になった!……けど、惜しい!(精度:約80%)」

ボタンを押した瞬間、一瞬で綺麗にフォーマットされた表が書き出されました。手入力の手間を考えたらこれだけでも感動ものです。

しかし、データをじっくり細かく確認してみると、現場の実務では見過ごせない「地味な誤認識」がチラホラと混ざっていました。

  • 1(数字)と I(アルファベット)の誤認識
  • 0(数字)と O(文字)の混同
  • 図面の枠線(罫線)と文字が重なっている部分の読み飛ばし

「下描きとして使うなら最高だけど、これをそのまま信じて発注データにするのは怖すぎるな……」というのが、AIを使った率直な感想でした。

Step 2:AIにそのまま投げてみた場合(2026年8月)

どれぐらい時代の進化を感じられるのか?と期待を込めながらAIにお願いをしてみました。今回は、ChatGPTのCodexを活用してみました。Codexは「マルチエージェント構成」を組むことが可能です。人間でいう「作業者」と「検品担当(ダブルチェック)」の2人体制を作るイメージです。

  • エージェント①(作業者): 画像から文字と表構造を愚直に抽出する
  • エージェント②(検品者): エージェント①が出した表と元の図面を見比べ、「1とIの混同はないか?」「プラント配管の規格サイズ(1/2″, 3/4″, 1″など)として正しいか?」をチェック・補正する

この2ステップの自動フローを通して、再度スプール図を処理させてみました。

【結果】「誤認識がほぼ消えた!プラント規格のチェックまでやってくれる!(精度:約98%)」

これには思わず画面の前で唸ってしまいました。

単体AIでは見落としていた「1」と「I」の誤認識を、検品担当AIが「配管サイズの文脈からして、ここは『I』ではなく『1』が正しい」と自動補正。さらに「規格外の変なサイズ表記」が出現した際には警告まで出してくれる仕様に化けました。

人間がダブルチェックで手直しする手間が、ほぼゼロになるレベルの精度です。

結論:実務で使える「自動化システム」への昇華

今回の実験を通して得た結論は以下の通りです。

単体AIで使う: 「人間の手直しが必須な、ちょっと便利な下描きツール」

マルチエージェント構成で使う: 「実務の現場でそのまま耐えうる、高精度な自動化システム」

「AIに図面を読ませても誤認識があるから使えないよね」と諦めていた方にこそ、この「AIにAIをチェックさせる」というマルチエージェントの手法を試していただきたいです。

面倒なBOMの拾い出し作業をAIエージェントに丸投げし、人間は最後の最終確認ボタンを押すだけ。そんな未来は、もう目と鼻の先に来ています。

ねこ道
ねこ道

AIの進化は本当に凄まじいですね。たった1年で、以前はできなかったことが今は当たり前のようにできるんですから。
みんなで一緒に第四次産業革命を楽しんでいきましょう!

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